複数のぽっちゃり店舗の経営
一般のレストランのように、牛丼店をステーキショップに改装するのはなかなかに難儀なものでしょう。同じ飲食店でも勝手が違うので、求人を掛けるのも一苦労ですよね。しかし、店舗を持たない一般的なデリバリーヘルスが「ぽっちゃり性風俗店」を開店するのは極めて容易です。当初から「届出」に、「ぽっちゃり性風俗店」名義の「屋号・電話番号・ホームページURL」を記載しておけば良いのです。最初に、「ぽっちゃり」を含むなるべく沢山の屋号を届出しておくべきだと求人主に思うのは、このような理由からです。逆に言えば、求人情報に掲載している「屋号」は、「届出」をした「屋号」であるということになります。これがブランド使い分けのカラクリです。求人情報を見た女性は驚くかもしれません。「ぽっちゃり専門店」に入店したはずなのに、待機室には様々な女性がいることはママあります。それは、女性の待機室は共有し、「一般店」「大衆店」「格安店」「激安店」「セレブ店」「高級店」など名義とプレイ代金を使い分け、ブランディングをしているからです。
ぽっちゃり求人の話から飛躍しますが、昔、日本の婚姻制度において「お見合い」というシステムが機能していたことがあります。いわゆる第一次産業たる農民たちが、第二次産業、第三次産業と仕事を拡大していき、より経済性を求め、「もっと稼ごう！」と稼げる仕事を「発明」していったのです。それは、明治時代以降から始まったと言ってもいいかもしれませんね。江戸という「高度経済都市」は、日本という国においてわずかな限られたエリアにしか過ぎません。そのような、高い経済性を持った都市に住まう住民たちは、あちこちの産地から集められた食材を楽しむだけの文化性も持ち合わせていました。いわゆる「飽食」です。豊かな食文化を支えるのは経済性なのは、江戸の時代も現代日本でも変わりません。しかし、江戸の時代は「ぽっちゃり」とした女性は、高いステイタスでした。太ることができるくらい、豊かな食べ物を食べていることの証ですから、それは稼いでいることの証でもあったのです。「ぽっちゃり」は女性だけでなく、男性にも好まれていました。ぽっちゃりは経済の象徴でもあったのです。逆に、都市ではない生産地で農業を営む人たちは、食料を生産しているにもかかわらず「ぽっちゃり」という豊かな身体を保つような経済性は持ち合わせなかったのが大概でしょう。なんだか、ご先祖様たちの、交叉してしまったぽっちゃり感に何とも皮肉めいたものを感じざるを得ません。現代日本では、イクメンやシングルマザーが全く珍しい存在にならなくなってきたことからもわかるように、ほぼ男女平等が浸透しました。御存知の通り、江戸時代～明治時代ではふくよかな「ぽっちゃり女性」には経済的なステイタス、つまりこれだけ稼げる生活力を持っていることの証でもあったわけです。
見合い結婚の話題に戻りましょう。現代日本では、なかなか皇族でもないかぎり見合いというものは無くなったのかもしれません。しかし、私が結婚した３０年ほど前では、ある統計によると６０％もの男女が「お見合い」によって婚姻をしていたと言われているそうです。その中には「ぽっちゃりとした女性」を、経済的なステイタスとして考えていた男性もいたことは、また時代性かも知れません。
「見合い結婚」というシステムがなぜ生まれたのか、それは経済性を優先し、リスクを避けようとしていたからだと私は考えます。未来の夫になる男性は、豊かな経済的ステイタスを求めて「理想のぽっちゃり女性」と出会いたいと希望する。未来の妻になる女性は、経済性のある男性を求めて「理想のぽっちゃり女性」を演じようと苦心する。この二人はお互いに求人しているのですが、どのような「ぽっちゃり」が理想なのかのコミュニケーションが取れていません。なぜならば、未来の夫婦になるこの二人はまだ出会っていないのです。求め合う人と人との求人コミュニケーションが成立していませんから、どのような「ぽっちゃり」がお互いの頭に描かれているのか、付けあわせて確認しあうすべを残念ながら持ち合わせていないのです。